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「普通の生き方」が分からないから小説が書ける

妊娠中、尊敬する人から、

「雄妃ちゃん、もっと嫌われてるって自覚持った方がいいよ。雄妃ちゃんの言ってること普通の人には理解できないようなことだから」

と言われた。

そして私はこれまでの人生で似たようなことを言われたことが何度かあり、だいたいそこには「変態」「変人」「嫌われ者」、そして「馬鹿」という言葉が含まれていた。

ただ、こうした褒め言葉に感謝しつつも、未だに私はその意味が腑におちずにいる。

「馬鹿で嫌われ者の変態である私と、その『普通の人』との違いって何?」

表面上の経歴のことを言われれば多少はうなずける。

しかしその経歴の背景にある苦悩と、そこから導き出した答えについては他の人と何が違うのかが分からない。

私が書く小説の多くが私の経歴から連想されるようなきらびやかな非日常ではなく、朝起きてから細々とした用事のために動き回り、夜眠るといった淡々とした日常であることが多いのもそういうことなのかもしれない。


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