19世紀のロシアを舞台としたトルストイの小説『戦争と平和』の中には、物語のヒロイン・ナターシャが「歌を歌う」「楽器を演奏する」といったシーンが何度か登場した。
その時代・その国を舞台にした物語に「(楽譜を基に)音楽を演奏する人」という描写があるということは、その時代その国に楽器・楽譜の流通があったということでもある。
「私にもできる」
ナターシャは楽譜と楽器の手触りを初めて味わった瞬間にそうひらめき、歌を歌い始めたのかもしれない。
……などと、中山淳雄『エンタメビジネス全史』で音楽の流通について読みながら、ナターシャが歌う姿を思い出す。

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