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一人朝カフェ

娘は前日の夜から私の母のところに泊まり、夫は休日出勤のために早朝に家を出た。

しつこかったゴールデンウィーク疲れも誰にも邪魔されず9時まで眠った甲斐ありすっかり取れた朝。

目覚めた直後からリビングにおりるまでの間は冷蔵庫の中身をあれこれ思い出していたが、滅多にない一人の朝ごはんなのだから近所のお気に入りのカフェにモーニングに行くことにした。

ゆっくり顔を洗い、着替えをし、荷物をまとめ、その間インスタで目的のカフェが営業日かどうかを確認し、「グッドモーニング」の文字を見て安心する。

馴染みのある店内の雰囲気に包まれ、木目調のテーブルにつくとようやくほっと一息つくことができた。

注文を済ませ、ここ数ヶ月のんびりと読み進めている北方謙三の『水滸伝』を開く。

北方謙三『水滸伝』
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北方謙三の『三国志』を読んだのはまだ私が高校生の頃だった。

あの頃の私にとっても今の私にとっても、やはり戦場シーンは華々しく映る。

しかし医者や薬師、漁師、盗人、商人など、武将・政治家以外のスキルを持つキャラクターにも目が行くようになったのは、私もそれなりに成長したからだろうか。

「私もその中の一人になれるのかもしれない」

注文した品を前にページを捲るのを一旦中断し、たまごサンドを頬張りながら日に日に力強くなる胎動をじっくりと味わう。


毎月20日にエッセイ集『Chocolate』を発行しています。

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