1950年代に「働く人の詩」として作られた『銀行員の詩集』には、
「作者が『銀行員』である必要性がよく分からない」
といった批評が数多く寄せられたらしい。
なぜ彼らの詩がそうした批判を集めたのかというと、彼らの詩が「銀行員」という枠を超えた共感を今ひとつ呼ばず、銀行員以外の労働者には、
「やっぱり銀行員はいい生活してるんだな」
としか捉えられなかったからとのこと。
……「文章が書ける美女」たる私としては他人事ではない話だ。
『〈サラリーマン〉の文化史 あるいは「家族」と「安定」の近現代史』鈴木貴宇



