『銀行員の詩集』には世情が描かれたものも多く、「銀行員だからといって生活が楽なわけではない」というのは伝わるものの、銀行員以外の、さらに下層の労働者からするとそこで描かれた銀行員の日常風景は、
「めっちゃ楽な生活してるやん」
としてしか捉えられないものが多かったらしい。
私は似たような現象をミスコン現役時代に経験した気がする。
どんな努力も最終的に、
「あなただからできたんでしょ」
で片付けられてしまうのは銀行員による詩集が銀行員のものにしかなれなかったのに似ている。
『〈サラリーマン〉の文化史 あるいは「家族」と「安定」の近現代史』鈴木貴宇



