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日「常」

娑婆の洗礼を受けているのか、幼稚園に入園してから急に娘が風邪をひくことが増えた。

熱のせいでぐったりしていることもあれば、熱があるにもかかわらず家の中を走り回っていることもあり、いずれにしても私は常に何かしらの対応ができるよう待機しなければならない。

外出しようにもできず、娘を寝かしつけるために一緒に横になることも多く、こういう時体は疲れない。

ただただ気疲れするだけであるため、夜ベッドに入ってもなかなか寝付けなくなることがる……ということを何度かこうした日々を過ごすうちに学んだ。

心配していないわけではないにしても所詮子供の風邪。

すぐに治り、日常に戻るのだから、周りがいちいちそれに引っ張られてはいけない。

極力自分の生活リズムを乱さず、かつ制限のある生活の中で適度な精神的刺激を求め、前回の風邪の際にはまずレモンチーズケーキを作った。

日中は娘が寝ている間にそれで静かなおやつタイムを楽しみ、夜は夫にその日の報告をしながら二人でそれをつつく。

さらにその日の夕飯はいつかのスーパーで見つけてから冷蔵庫に保管してあった「きのこのお肉」とやらを使ったカレーにした。

「何これ?」

にんじん、たまねぎ、じゃがいもに紛れた、茶色の立方体をスプーンで突きながら夫が尋ねる。

「肉……もどき」
「なんだそれ」

そして恐る恐る咀嚼して一言。

「……えりんぎ……?」
「残念、原材料は舞茸らしい」

正直なところ私もそれから肉感を全く感じられなかった。

「普通にキノコとして食べた方が美味しい……。なぜあえて舞茸をこんな形に……」

夫もぶつぶつと最新技術に対し文句を垂らす。

「それでも、まぁ元は舞茸なのに食べた人をして『えりんぎ』と言わしめたんだから、ある意味それも最新技術でしょ」

制限のある生活の中でのそうした発見とそれの共有は、その日の私のストレスを少なからず緩和させた。


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