妊娠してから今まで、一晩眠り続けられたことがほとんどない。
毎晩何かしらの理由、娘の寝返りや自分の体調などが原因で必ず一回は目を覚ましている。
そして先日は悪夢のために目を覚ました。
夢の内容ははっきりと覚えていないが、この類の夢を見るともう一度寝つくのに苦労するのを知っている私は別の部屋に移動し、明け方まで泣いていた。
今読んでいるつるみ犬丸の『大奥の陰陽師』の主人公は大奥での事件解決に取り組む一方で、殺された母親に言われた「優しくなれ」という漠然とした課題に立ち向かっている。
「優しくなる」はこうすればこうなるといった簡単な話ではない。
試行錯誤ありきの話。
あまりにも漠然としすぎたこの課題をどう解決するのだろうかと物語を読み進めながら、似たような漠然としすぎた課題を抱えている私も、彼女と一緒にあの悪夢を克服していこうか。

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