欲望を味わい、それを満たすことでこそ人間は「私は生きている」と安心できるもの。
そして例えAIが自分の代わりにそれをしてくれたとしても、人間の「自分がやりたいからやる」という欲が抑えられるわけではない。
だからどんなにAIの開発が進んだとしても所詮は自分がやらなくてもいいことをやってくれる道具にしかならないのだと私は予想している。
ただ、人間の欲は本人にも正確に捉えきれていないことが多々ある。
表向きには嫌々やっていることでも実はその嫌々やっている行為から「私は生きている」という感覚を味わっていることも多々ある。
もちろんそういう生きている実感の味わい方は少しずつ心と体を蝕むものではあるが、それでも何もないよりかはマシなものでもあるためなかなか止められない。
小賢しく「AIなんかに振り回されないぞ」と踏ん張るのではなく自分自身の欲望の本質に気づくことが、賢く豊かにAIを使いこなすコツなのかもしれない。

毎月10日にエッセイ集『Chocolate』を発行しています。
今月号はこちら。↓


