アニメ『カイジ』(ただしビル間鉄骨平均台まで)は、カイジが「この勝負に勝つことは本当に正しいのだろうか」という線引きで葛藤するのを見るのが私は楽しかった。
『極悪女王』ではダンプ松本をはじめとする女子プロレス関係者たちが興行とスポーツマンシップの狭間で揺れ動く姿を見るのが私は楽しかった。
しかし『地面師たち』の登場人物たちは次々にぶち当たる壁に頭を悩ませることはあっても、何かに関する線引きについて悩んでいる登場人物は誰もいなかった。
そもそも他人を騙すことについては過去の詐欺被害者である主人公さえも悩んでいない。
そして『進撃の巨人』も、あくまでも人を殺すことは一線を越える行為であるとした上で、人を殺さざるをえない状況に葛藤する人たちの姿は描かれていても、例えば平和を実現するためにどこにどう線を引いたらいいのかなどについての葛藤はなかった。




