谷崎潤一郎の『痴人の愛』の主人公・譲治の話は、側から見れば、
「例えお飾りでも脱サラして経営者になるってすげぇ」
「しかもこんだけの長編小説の中でその話をサラッとひと段落で終わらせるなんてすげぇ」
という話なのだが、本人としてはそんなことなどどうでもよく、むしろ社会的地位については、
「マイホームで温かい家庭を築く普通のサラリーマンに本当はなりたかったけどなれなかった」
と思っているくらいで、
「それでもナオミの側にいたかった」
のだから、アゲマン・ナオミすげぇ……。

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