一歳半を過ぎた娘は、例えば台の上に並べた積み木のを指さして、
「すごいー!」
と手を叩きながらこちらにアピールしてくることがある。
とりあえず喜んでいる娘を見るとこちらも嬉しくはなるので一緒に拍手をしながら「すごいー!」とは言うものの、正直なところ私はそれの何がすごいのかは分かっていない。
「5年前に出した作品が今売れてる」
この喜びを理解できない人が多いことを知っている私は、喜びを隠しきれないまま恐る恐る夫に報告する。
「俺は業界のことを知らない。でも、雄妃がすごいと思うことならきっとすごいことなのだと思う」
夫の態度に私は自分が抱えていた、
「こんなことで喜んで」
と軽蔑される不安を鼻で笑われた気分になった。

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