
「女性の自立」について話すとき、フランスのジェンダー観はよく話題になる。
「女性も家庭に縛られることなく、結婚したとしても出産したとしても自分の能力や才能を発揮すべき」
私も一応それの実現を願う人間の中の一人ではある。
『戦争と平和』で最初は、
「私は一人の男性のものにはならないもーん」
と言っていたナターシャが、エピローグでものの見事に「フランス人の語る女」にはならず、妻になり母親になった。
「19世紀からフランス人はそんなことを言っていたのか」
と驚くと同時に、その実現を願いながらも自分がしたくてしているだけのことを「女性の自立」という文脈で語られることに対して嫌悪感をおさえられない自分とナターシャを比較せずにいられない。
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