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希望があるからこそ不安がある

入院中異様なハイ状態になっていた私は退院後産後うつになるのではないかと危惧していたが、夫や両親たちをはじめとする周囲の人たちからのサポートや環境に恵まれたため温かく穏やかな気持ちを保てており、体調も少しずつ回復している実感がある。

そうなってくると仕事への復帰の欲も強くなるのか、気がつけば退院2日目には短時間ではあるものの自分のデスクに向かいブログ更新を再開していた。

来週には出産のために一時中断していた原稿の執筆を再開し、来月にはしばらく休刊していた『Chocolate』も再開する予定だ。

しかしいざパソコンに向かおうとすると、

「本当にうまくいくのかな?」
「一生懸命書いても無駄」
「どうせ私の活動に価値を感じる人なんかいない」

などとこれまでにこの仕事をする中であった嫌なことが次々に脳裏に蘇り、ネガティブな感情がわきあがる。

久しく忘れていた不安だからか、自分の仕事への不安は一瞬ここ数日の温かく穏やかな日々を忘れさせるほどの強さがあった。

「きっと自分の伝えたいことは誰かに届く」
「自分の仕事は成功する」
「そしてそれはこの社会を豊かにする上でとても役立つ」

しかし私はこうした不安を感じながらも、それでも希望を完全に捨て去ることができない。

だからこそ出産前も今も、こうしてデスクに向かい執筆・発信をしているのだろう。

むしろ出産を経てその希望は一層強化された気さえする。

仕事を再開する意志を夫に伝えたところ、夫は、

「そうか」

とだけ言った。

その回答はまるで「雄妃の性分ならそうするのが当たり前だ」という口ぶりだった。


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