
今でこそ北海道への移住を計画している私たちだが、そもそもこうして二人で目標を語り合うようになったきっかけは私の仕事やキャリアについての喧嘩だった。
「文芸と芸能で社会を豊かにする」
初めてミスコンに出場した20代半ばごろから私はそう自分の夢を語ってきたが、まともに私の話も聞かず私の夢をああだこうだと言う人は多く、以前の夫もそういう人たちの中の一人だった。
そのため結婚する数年前から私は私で「この人に私の仕事や夢は理解できない」と思い始め、夫は夫で実際同じ頃から他の人と同様「雄妃の夢とか馬鹿らしい」と思っていたようだ。
そうした不信感を少しずつ募らせた結果結婚して半年が経った頃から少しずつ喧嘩が増え、結婚一年が経った頃に一発、私も夫にコップの水をぶっかけ、夫もちゃぶ台をひっくり返し、最終的に一旦和解し、二人で泣きながらカップラーメンを食べて寝るという本格的な喧嘩をした。
あの喧嘩以降夫は「私の夢を馬鹿にする人たち」の中から抜け出し、私に歩み寄ってくれた数少ない人の一人となった。
私たちの北海道移住計画はこうして生まれたものだ。
そのためただの「大自然の中での生活への憧れ」ではなく、ただ北海道に居を構えれば果たされるという類のものでもない。
「そこで実現させたいものがある」という前提の下での計画だ。


