
育児は実際にしてみると当初想像していた以上に楽しいものだった。
それでも妊娠、結婚前に好きで始めたこの仕事を辞めたいとは全く思えない。
「私は家庭になんて入らないもーん」
と物語の最初の頃はそう豪語していた『戦争と平和』のナターシャが、エピローグでは結婚し子供を産み、妻・母以外の何者でもなくなり、何者にもなろうとはしなくなった。
妻・母以外の何者でもない彼女はそれになる以前に持っていたものを夫・子供の前だけで発揮するようになり、そんな彼女に彼女の夫・子供以外の人は「彼女は魅力を失った」と囁き合う。
仕事を辞める気は一切なく、今の私は仕事と育児の両立を実現させることに全エネルギーを注いでいるものの、一見真逆のような「魅力を失った」ナターシャと私はどこか似ている気がしてならない。
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